今日の一冊 093

ラッシュライフ (新潮文庫)

ラッシュライフ (新潮文庫)

ラッシュ
rush
rash
lush
lash


オーデュボンの祈りに引き続き読了。
これは一見独立した5つの話(A〜E)から構成されているのが特徴。
A 成金親父戸田と女性画家志奈子
B 空き巣の黒澤
C 画家志望の河原崎と、新興宗教の怪しげな塚本
D 不倫関係にある、精神科医京子とサッカー選手青山
E 失業者豊田
これに加えて、さらにいくらかの登場人物が出てくる。


一番大元となっているCとか電波ゆんゆんすぎた。
けど、この辺りはいつものことなので無問題か。
個人的にはBの話が一番好きかな。
読み始めは、別個に進むかと思ったストーリーが中盤以降複雑に絡み合って、
最後には一つの大きな話(騙し絵)に収斂するあたりが絶妙。
最初は、訳分からんって感じだったけど、自分で話の時系列を整理しながら読んでいく楽しさがあった。
あと、表題の「ラッシュ」の解釈も分かれるところがあるなぁと思った。


まあ、これも結構当たりだったように思う。
80点。