今日の東野 078

容疑者Xの献身

容疑者Xの献身

直木賞受賞作だったかな。
かなり空いてしまったが、読了。


天才物理学者湯川と刑事草薙が主人公のシリーズ。
これまで短編で2冊出てるけど、初の長編ってことで少し期待してた。
このシリーズあんまり動きが無いんだけど、何故か退屈せずに読める。


今作は数学が一つの鍵。
ある母子の殺人を、天才数学者石神が完全に隠蔽しようとする話。
ある意味、「白夜行幻夜」に近いかもしれない?


石神の論理的な犯行がすばらしい。
一途なまでの母子への想いに感動。
まさに、自己犠牲の精神というか表題の「献身」。
でも、報われない石神がちょっと哀れで同情を誘う。
ラストの展開はやっぱりこうなると分かりつつも、石神の想いを大事にしてやって欲しかったなぁ。


読後はなんかじーんと来てしまったよ。