今日の一冊 062

顔 FACE (徳間文庫)

顔 FACE (徳間文庫)

読了。


「陰の季節」と同じくD県警物。
本作は、「陰の季節」で似顔捏造事件を起こした鑑識課似顔絵婦警の平野瑞穂が主人公。
どちらかというと短編的な作品だが、とぎれとぎれながら話の時系列は繋がっている。
事件後、失踪して復帰するも本来の鑑識課には戻れず、他部署を転々とする。
その中で、様々な事件に遭遇し、立ち向かっていく。
新聞への事件リーク、電話相談、疑惑のデッサン、銀行襲撃事件、警官拳銃強奪事件などなど。
その全てが、単なる事件物で終わるのではなく、きっちりとラストで意外な展開を見せてくれるところがすばらしい。
読んでてわくわくてかてかしてた。
前作では全く目立ってなかったが、今作では彼女の魅力が十二分に発揮されている感じ。
男社会の中で生きる婦警の生き様を見せてくれる作品。80点。