今日の一冊 049

クライマーズ・ハイ (文春文庫)

クライマーズ・ハイ (文春文庫)

読了。
書店うろついてて新刊出てたので衝動買い。
なんつーか、フィーリング?


これまたバリバリの社会派小説。
なじむ。
1985年の日航機墜落事件がベース。
当時、群馬の上毛新聞記者だった作者だけに期待される。


作者と同じく北関東新聞社の中年記者、悠木が主人公。
生涯一記者を貫こうとしていたものの、日航機墜落事件限定のデスクに任命される。
この主人公がまたいい。
上司でもお構いなしに自分の意見をしっかりと言ってのけ、やってのけるところとか。


「さすが悠木だ。(中略)あこがれるゥゥ!!」って感じ。
なんか東西新聞社の山岡と被る。あんなにグータラじゃないけど。


あと、事件を追う新聞社内部の緊迫感、殺伐さがひしひしと伝わってきた。
刺すか刺されるかという雰囲気。
新聞社の内部事情が結構詳細に書かれてて、へーと思ったり。


ちなみに山登りの話はあんまり出てきません。
主人公の過去と未来を繋ぐ役割をしているくらいかな。
事故という結構暗くなりがちな内容だけど、そんな感じは微塵も感じさせず一気に読み切るおもしろさだった。
ラストもすっきりしてたしね。
オススメ出来る一冊。
92点。


「下りるために、鳴くんさ」(立K E二談) (本文より引用)